『誰にも知られずに消えていった誰かの歌みたいに』をリリースしました。
そのレコ発ライブで配布したリーフレットに掲載したインタビューをWEB版として抜粋してお届けします!
4人での貴重な初インタビューをどうぞお楽しみ下さい。
安田:誰一人としてドラム叩く姿は見たことなかった。
澤田:よく知ってるし、ドラム叩ければ誰でもいいやって思ってたんで、最初。「何もやってないなら叩けば?」って。
全員:(笑)
- まずはメンバーが現在の4人になるまでの3年間のお話から伺わせて下さい。前作『夕暮れ狩り』を出した時は澤田さんと安田さん、そしてサポートドラムの菊池さんの3ピースバンドでしたね。そこに新たに海藤さんが加わったわけですが、元々札幌では一緒にやってらしたんですよね?
澤田健太郎(ボーカル、ギター):2006年の年始から6月位まで弾いてた。
- 海藤さんは未完成とは対バンとかで知りあったんですか?
海藤祐司(ギター):そうですね。その時、未完成だけじゃなくて結構色んなバンドでギター弾いてて、毎日のようにライブハウスで澤田と会ってましたね。
海藤:うーん、どうだったかなぁ。バコンって感じですかね。
全員:(笑)
海藤:元々やっていたバンドに専念するって言って辞めたからには頑張ってやろうと。でもそのバンドが活動が曖昧になってきて、どうしようかなって思ってた時にまた澤田から連絡が来て。
海藤:はい。一回きりみたいな感じで手伝ってよって言われた。
海藤:気持ちがもう凄い動いちゃって。めちゃくちゃ楽しいと思って、それが一番ですね。
澤田:悪徳商法みたいだよね。大きいステージでちょっと夢見させて。
全員:(笑)
澤田:はいはい。
大南吉之(ドラム):元々いろはってバンドやってて、その時にキック(菊池さん)がもう一つやっていたBob&Carnivalsってバンドと凄く仲が良くて、そこでキックから「もう1個バンドやってるんだよね」って聞いて。それが2008年位なんですけど、その時「ROCK IN JAPANに出る」って言ってたんで「俺も連れてけや」ってついてって初めて出会いましたね。
安田強太(ベース、コーラス):キックが「知り合い連れてくる」って、ローディーとして来た。
大南:無口だからちょっと怖かったですね。その後にshimokita round up2にいろはと未完成が一緒に出てて、そこでちゃんと喋ったと思う。
澤田:「麻雀好きだ」っていうから一緒にやるようになって、南からお金をまきあげるっていう。
大南:そうそう(笑)。音楽以外の場所で交流が深まっていった。
澤田:僕、いろはとか1回も見たことないですもん。
安田:誰一人としてドラム叩く姿は見たことなかった。
全員:(笑)
- そんな状態で(笑)大南さんにドラムをお願いすることにしたと。
澤田:よく知ってるし、ドラム叩ければ誰でもいいやって思ってたんで、最初。菊池が辞めるちょっと前のライブに来てて、あれこいつドラム叩けるって言ってなかったっけって思い出して。「何もやってないなら叩けば?」って。
大南:正直めちゃくちゃ嬉しかったですね。
澤田:ただのドMじゃねぇかよ。
全員:(笑)
大南:初めて見た時から僕的にはかなりグッとくるサウンドで。単純に凄くかっこいいって思ってて。だから飛び上がるほど嬉しかったですね。
澤田:それでスタジオ入ってみたら、やっぱりへたくそで。でも最近叩いてないって言ってたし、その後ライブあったんで、あんまりボロッカスに言って刺激したら辞められるって思って、いいじゃんいいじゃんって無理矢理褒めて。
全員:(笑)
海藤:澤田が指なくなっちゃったんでギターが弾けないんじゃないかって思って。歌うかも分かんないけど、とりあえず歌いたいって思った時に歌えるように、ちゃんと演奏だけはしなきゃいけないなって。
澤田:そう。お腹痛くて、喉壊して、ずっと南のせいだと思ってたもん。あの疫病神、あんな奴連れてこなきゃ良かったって。
全員:(笑)
澤田:帰ってきて指がなくなった後のライブでメンバーになった。
澤田:そうです。
- そこから澤田さんは入院生活になりましたね。
澤田:はい、1ヶ月半くらい。
海藤:まめに練習をしてたんですよね。澤田が指なくなっちゃったんでギターが弾けないんじゃないかって思って。歌うかも分かんないけど、とりあえず歌いたいって思った時に歌えるように、ちゃんと演奏だけはしなきゃいけないなって。3人で連絡とってスタジオ入って、ある程度形にしようってやってました。
海藤:そう。あとギター弾きたいって思ったら弾いて欲しいから、僕がこれだったら合うよってフレーズとかを先に考えといて、後で澤田が弾きたくなったら、どんな感じでもオーライ!って出来るようにしときたかったんですよね。
安田:そうですね。元々出るはずだったライブに顔を出したりもしてたから、顔を合わせる機会が多くて。ただやっぱり「澤田がどういう形で戻ってきたいかだね」って結局はそういう話だから、どういう形で戻ってきても大丈夫なようにって感じでした。
- そのスタジオの時は歌はどうしてたんですか?
安田:僕がつたない歌を…。
澤田:俺が入院してる時に「安田が歌ってライブやればいいじゃん」って言ったんだけど、全く出来ないって言って、あいつ本当に何も出来ないなって。
全員:(笑)
- 澤田さんは入院中はどんなお気持ちだったんですか?
澤田:もう絶対音楽やらないって思っていましたね。
澤田:全然。僕、相談とかしないんで。でも別に相談することでもないし、最終的には自分で決めなきゃなって。
安田:僕は自分から辞めたいっていうのは全くなかったですね。澤田に辞めたいって言われて、多分初めて辞めるんだろうなって思うので。
澤田:何となく知ってて。で、退院してから家でギター練習して、少しずつ弾けるようになって。
- 退院してからは3人には会ってたんですか?
澤田:連絡もしてないはず。
海藤:いや、お茶しにいったじゃん。お茶しにいって、その時に「この日スタジオあるんだけど来る?」って。
澤田:そう。じゃあ行こうかなって、行って合わせたら何も変わってねぇなって、「本当お前ら練習したの?」って。そう思いつつ、やっぱりバンドで音鳴らした時は、やっぱり音楽っていいなみたいな…(笑)
全員:(笑)
澤田:うん。また元の場所に戻ったなって感じでしたね。スタジオでメンバーにムカつくことも一緒だし。
- (笑)。そこでまた音楽出来るかもって思ったと。
澤田:そうですね。出来るかもなって。
- 皆さんは久々に澤田さん帰ってきてどうでした?
安田:楽しかったですよ。…鬼が帰ってきたって。
海藤:怒られてもにやにやしてたよね。
全員:(笑)
- 復活後、最初は京都でのライブでしたよね。ここで大南さんが正式メンバーになるわけですが、その経緯は?
澤田:退院してスタジオで何回か合わせてる時に「メンバーになれば?」って俺が言ったら、「いやぁ、ずっと考えてたんだけど、なりたいんだよね」って言ってて「じゃあやればいいじゃん」って。そうすると俺がドラムにいちゃもんつけれるから。気使わなくていいから。
全員:(笑)
澤田:大丈夫っすよ、安田ちゃんと働けるしね。南も海藤も働いてるし、僕だけっすよ、音楽に依存してるの。だから、こいつらは俺の音楽に依存してるんすよ。
- この4人での初めての音源、未完成VS新世界としても3年振りとなる1st harf album『誰にも知られずに消えていった誰かの歌みたいに』が5月9日にリリースされました。音源を出せるって知ったのはいつ頃ですか?
澤田:去年の11月くらいですね。
- そこからどういう音源にするかは?
澤田:僕が一人で考えてたんでメンバーに相談とかは一切ない。僕の決定事項に従ってくれればいいんで。
- 曲は今回収録されている以外にもいっぱいあったわけじゃないですか。どれ入れようかとかも相談はないの?
澤田:他に曲なんてないっすよ。僕らはオリジナルの曲はこの5曲しかないんで、あと全部コピーっすよ。
全員:(笑)
- 皆さんは「あの曲入れないの?」とかはなかったんですか?
安田:全くないです、僕は。
澤田:南、なんか文句あった?
大南:あるわけないじゃん。
澤田:海藤は?
海藤:ないよ。
- 未完成のその関係性は何なんですか(笑)?
海藤:カースト制度。
全員:(笑)
澤田:駄目な自分を肯定してもいいよってことを、全体的に歌ってますね。
- それは自分に対して?
澤田:自分に対してもそうですし、そういう人に後押しになってもらえたらなって。
- 未完成の音楽は音楽のことが中心にあるなと思うんです。音楽で音楽のことを歌うっていうか、音楽がなくちゃ生きていけないって感じるような音楽だなと。
澤田:はい。
澤田:大丈夫っすよ、安田ちゃんと働けるしね。南も海藤も働いてるし、僕だけっすよ、音楽に依存してるの。だから、こいつらは俺の音楽に依存してるんすよ。
3人:そうですね。
安田:澤田に依存してるんです。
海藤:完璧にそうだね。家でひたすら自分の音楽聴いてるもん。澤田、俺のために歌ってくれてるって思って聴いてる。
全員:(笑)
海藤:絶対毎日聴いてるもん。
- それは新しい音源が出来上がったからとかではなくて?
安田:古いとか新しいとか関係なくです。他のと違って飽きずに聴ける。
澤田:こわい(笑)。
- リリースがなかなか出来なくて、ライブをするしかない時期が長くあったわけですが、その期間で得たことや分かったことはありますか?
澤田:ライブに来てくれる人はずっと少なからずいたので、その人達に来て良かったなって思ってもらうのは当たり前って思ってて。このまま精度を上げていっている途中で、CDとか出せたらなって思いながらやってましたね。
- ライブは基本にありつつも、CDを出したいって気持ちはあったわけですね。
澤田:そうですね。
澤田:まず応援してくれてる人がCD欲しいんじゃないかなって。恩返し的なものじゃないですけど、CDあったら嬉しいんじゃないかなっていうのが大前提。
澤田:嬉しいっていうのがあるんですけど、もう一枚早く作って出したいなと。
澤田:そうですね。今ある曲全部くらいは出したいですね。
海藤:めちゃくちゃ嬉しくって、でも聴いてて自分へたくそだなーと思って。今だったらもっと上手く弾けるのになっていうのがあって、だから早く次作りたいなって。
大南:海藤くんが入って僕がドラムになって、曲ももちろん違うんですけど、出来上がっているサウンドとかも違うので。澤田くんが言ったように今までライブに見に来てくれた人にも聴いて欲しいんですけど、やっぱり変わったサウンドなので、新たに僕達のことを好きになってくれる人が増えたらいいなって思いです。
安田:これが2枚目になるから、ようやく出せたっていう嬉しさがほとんどですけど、1回前のリリースのタイミングで名前が出て、そのCDしか聴いたことがなくて一度もライブを見たことがなくて、未完成を知ってるって人が増えたんですよ。CD出せない3年間で。だから今回のリリースのタイミングで、とにかくリリースが嬉しいですってメールをくれたりとか、やっぱり待たせちゃったなとも感じてて。でもお客さんのそういう声が直接聞こえるからこそ、お待たせ!って気持ちで出せるのが本当に嬉しいですね。
- ようやくって感じは強くありますよね。ここまで色んなことがあったバンドもなかなかないと思うんです。CD出す予定が飛んだりとか、加入や脱退があったり、怪我があったり。それでも音楽をやっていこうとして、今こうして形になったわけですが、その間何が皆さんを支えたんでしょうか?
澤田:うーん、僕の場合は大前提として、音楽が好きとかそういうのもあって。で、僕が信じてる自分の音楽についてきてくれたメンバーのことがあって、言い方あれですけど、僕の音楽に付き合わせてる感じがあるんで、まぁ一緒に音楽をやり続けて、直接的な言い方をすると、多少なり僕の音楽でお金を得て欲しいと。そういうのがあってやれたっていうもありますね。僕がどんな状態になっても、音楽辞めるって誰も言い出さないし。音楽やってなかったらゴミっていう連中が4人集まってるんで。
全員:(笑)
澤田:乗りかかった船なんで降りたくても降りれねぇみたいのもあったのかもしれないけど、でも僕は僕の音楽を信じてくれているメンバー、今まで周りにいてくれたお客さんもそうですけど、一緒にやってくれてる人達とか、そういうのでもってるんだなと思いますね。
- 安田さんはどうですか?
安田:澤田くんについていけば大丈夫って気持ちが、本当に昔から根っこにあって。その気持ちと他の2人がぶれないでいてくれたのが、それが全部ですね。
- 大南さんは未完成は途中からですけど、音楽をずっと続けてこれたのは?
大南:単純に好きだからっていうのもあるし、音楽の中で、例えば前のバンドを組んで、そこで対バンして出会った人と仲良くなって、その人のバンドの人とも仲良くなってとか、音楽も好きだし音楽をやっている人も好きで、その繋がりがあって、ここまで続けて来れた。始めた頃ってずっとやろうっていう頑な意思があってやってたわけじゃないし、そういう繋がりがあってここまで出来てるんだなって。その繋がりはこれからもずっとあるし、それがある限り音楽ずっとやっていけるんだろうなって。
- それがあって未完成にも繋がったわけですしね。海藤さんは?
海藤:今の生活がもの凄く好きで。自分一人じゃ生きていけないから、みんなが助けてくれてるんで、なるべく今の生活のまま、みんなと一緒に生活を持ち上げられたらなって毎日思っていて。そのために何かするって感じです。
- それが音楽?
海藤:ですね。その中の一つかもしれないし、音楽がないと多分ここにいないと思うんで。
- ありがとうございました。今後の活動も楽しみにしています!
【CD情報】
未完成VS新世界
「誰にも知られずに消えていった誰かの歌みたいに」(1st half album/PTA-0004)
全5曲収録/¥1,000(税抜)/¥952(税込)
☆週刊ヤングジャンプ連載中(現在休載中、夏に再開) の人気ロックマンガ「日々ロック」の作者【榎屋克優】 渾身の書き下ろしジャケット!!
〔未完成VS新世界PROFILE〕
20代後半にいつの間にか差し掛かってしまった、「 若さを持て余した状態」を延長させている、 ほぼ全員札幌出身の4人組ロックバンド。 1stCDを発売してすぐにロックインジャパン、 カウントダウンジャパンなどの大型フェスに登場して大喝采を浴び るも、当時のレーベルが突然閉鎖したり、事務所が倒産したり、 ボーカルの澤田が声帯の炎症を起こし、 一時的に歌えなくなった直後に誤って階段から転がり落ちて大怪我 をしたりの不運に見舞われる。
しかし、 持ち前の不屈の精神と後ろ向きな楽天性でもって2011年の9月 、京都VOX hallにて大復活を遂げ、新たな喝采を浴びる。その後、 何事も無かったかのように様々なイベントに登場し、暴発気味な、 熱くてパワフルなライブアクトを相も変わらず展開中。
そんな中、密かにレコーディングを進めていた彼らは、 遂に2枚目のCD「 誰にも知られずに消えていった誰かの歌みたいに」 を5月にリリースする。
突き刺さるリリック、耳にこびりつくメロディー、 チャーミングに爆発を繰り返すボーカル。
他に何がいるのだろう?
20代後半にいつの間にか差し掛かってしまった、「
しかし、
そんな中、密かにレコーディングを進めていた彼らは、
突き刺さるリリック、耳にこびりつくメロディー、
他に何がいるのだろう?
【ライブ情報】
7/18(Wed)@名古屋CLUB UPSET
詳細未定
7/19(thu)@京都三条 VOXhall
「ghostnote New mini album「きもちはつたわる」Release Tour」
w:ghostnote/the90s/mothercoat/井上ヤスオバーガー バンド/ユナイテッドモンモンサン
7/20(fri)@大阪 福島 LIVE SQUARE 2nd LINE
詳細未定
7/29(Sun) @札幌HALL SPIRITUAL LOUNGE
「シュリスペイロフは良い人達だからこの日はみんな未完成VS新世界の新譜を買ってくれる筈のツーマン」
w:シュリスペイロフ
8/07(tue)@新宿 Nine Spices
「Art Music '12」
w:urema/成山内(sleepy.ab)
その他詳細は
未完成VS新世界オフィシャルHPまで